御神木 伊勢へ「化粧掛け」 上松で御杣始祭 菊模様 おの振るい先端に
2025/06/04
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伊勢神宮(三重県伊勢市)の式年遷宮に向けた祭儀「御杣始祭」が3日に上松町小川の国有林で行われた。切り出されたご神木2本は麓の施設・よろまいか(小川)に運ばれ、杣夫たちにより「化粧掛け」が施された。
ご神木伐採を担った地元の三ツ紐伐り保存会の杣夫らが、ご神木の両先端を16角に切って菊の模様に仕立てた。杣夫がおのを振るたびに木っ端が飛んだ。
同保存会から最年少の杣夫として参加し、ご神木伐採から化粧掛けまでを初めて経験した今井竜太さん(32)=小川=は「プレッシャーはあったが、やり切ったことは自信になる」と充実した様子。「しっかりとご神木を伊勢へ送り出したい」と熱心におのを振っていた。
見物客は家族や友人と化粧掛け作業を見守り、写真や動画に撮ったり、飛び散った木っ端を縁起物として拾ったりしていた。木曽町福島小学校2年・奥野源生君(8)は「木がつるつるに(きれいに)なっていた。僕もあんなふうにできたらいいな」と見入っていた。上松町上松中学校2年の山村優生さん(13)は、地元の木が伊勢神宮で使われることについて「日本でも数少ないことなので、すごい」と話していた。
地元で木工を学ぶ県上松技術専門校の学生も見学し、イアン・ソーヤーさん(39)は「豪快、精密で、杣夫たちはとても息が合っている」と感心していた。
奉祝行事・御神木祭(4~6日)で、化粧掛けが施されたご神木を多くの人が引いて町内を練り歩く「お木曳き」は4日午前10時から行われる。同日午後4時からは、JR上松駅前で神事や獅子舞が予定されている。
