安曇野市の中学校運動部、半数が休日地域移行 文化系は指導者確保で難航
国の方針を受けて安曇野市教育委員会が進める中学校部活動の地域移行で、市内全7校の運動系部活の半数近くが休日は地域クラブ活動に移行したことが分かった。令和8年度末には休日部活動を全て地域クラブに置き換える考えで、地域や競技ごとに異なる課題の解決に取り組んでいる。

部活動は学校主体で教員が指導するのに対し、地域クラブは地域団体などが主体で知識や経験を持った住民が指導する。市学校教育課によると、昨年度末までに運動系59部のうち27部が休日は地域クラブに置き換わった。さらに7部が年度内に移行する見込みだ。
地域移行の進め方は自治体によって異なる。安曇野市はできるだけ各校の部活動を単位として地域クラブの設立を支援し、指導者の謝金は市が負担している。また、部員数や地域の指導者の都合に合わせて近隣校の部員同士が集まる広域クラブ化も柔軟に進めてきた。
軟式野球と陸上、柔道の3種目は、市内全域の生徒が集まる「オール安曇野」クラブとして活動する。各校10人未満の野球部が集まる「オール安曇野野球クラブ」は総勢約30人。練習は掛け声が飛び交い、活気にあふれている。主将の穂高東中学校3年・中井詩琉さんは「大人数なので練習の幅が広がる。仲間と交流がいっぱいできるのもいい」と話す。
ただ、地域移行の進み具合は競技や学校によって異なり、運動系部活の約4割は見通しが立っていない。文化系は指導者の確保が難しく、計18部のうち地域移行できているのは豊科南中の吹奏楽部のみだ。
市教委は、将来的には平日も含めた地域移行を目指す。3月に児童生徒・保護者対象に行ったアンケートを集計中で、ニーズを的確に把握して支援のあり方を検討する。市学校教育課は学校との協議も地道に行っており、担当者は「できるだけ学校側が望む地域クラブへの置き換えをしていきたい」と話している。