塩尻市の観光振興へ協会強化 塩尻駅前に事務局 移転 専務理事に高砂氏
2025/06/03
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塩尻市観光協会の事務局が今春、同市市民交流センター・えんぱーく(大門一番町)からJR塩尻駅前の観光センター(大門八番町)建物内に移転した。今月1日付で常勤専属の専務理事を配置し、来年4月に一般社団法人化10年となるのを前に、より独立性や収益性が高い組織を目指して体制強化を図っている。
新事務所は4月に稼働した。平成27(2015)年4月からえんぱーくに入居していたが、市観光協会が運営する売店もあるため、限られた人員で支え合えるよう、現場に近い場所を選んだ。事務局員は1人増の5人体制になった。専務理事は従来市観光課長が兼任したが、独立性を高めるため専属で配置した。
5月29日の観光協会理事会・総会を経て、常勤の専務理事には元市企画政策部長の高砂進一郎氏(61)=大門二番町=が就いた。高砂氏は産業振興事業部長や企画政策部長を歴任し、定年延長後の今年3月に退職。地域ブランド構築に携わった経験がある。役員任期は来年5月末までで、高砂専務は「ハードルは高いがやりがいを感じる。地域資源を磨き上げ、市内の観光消費額を増やし地域経済の活性化を図っていく。誇りや愛着の醸成にもつなげたい」と話す。
平成28(2016)年に任意団体から一般社団法人化した観光協会は、事業会計が1億2000万円規模で市からの補助金収入は5500万円余を占める。この比率を縮減していきたい考えで、ここ数年はワインや木曽漆器を軸にした旅行商品の造成販売ほか、観光ガイドの育成にも力を注ぐ。本年度は市内のワイナリーを巡るバスツアーやワインタクシー事業を初めて企画運行している。旅行商品をふるさと納税の返礼品に加える構想も抱く。