筑北・森のめぐみの会がジビエ処理の先進地視察
2025/05/28
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筑北地域へのジビエ肉(野生鳥獣の肉)解体処理施設の設置を目指す、筑北村民ら有志の研究会「ちくほく森のめぐみの会」は、ジビエ肉活用の先進地視察を始めた。本年度はジビエ肉の解体に関わる企業・団体の取り組み状況など県内数カ所を巡る計画だ。同会は3月に発足したばかりで、地域の実情に合った持続可能な解体施設のあり方を模索する。
27日にメンバーら9人が長野市を訪れ、捕殺した野生動物を機械動力で運搬する技術の普及を進める企業・オンサイテック(西澤久友社長)を視察した。同社が開発した、野生動物を丸ごと収納できる冷蔵庫と山中を踏破できる履帯を装備したリモコン式の運搬車や、履帯で自走できる1次解体処理コンテナハウスを見学。山深い現地の近くで最低限の解体処置を施し、肉質を落とさず衛生面でも安心なジビエ肉を出荷する仕組みを学んだ。
農林水産省が定める「国産ジビエ認証制度」の認証機関となっている、諏訪市の一般社団法人・国産ジビエ認証機構の鮎澤廉代表とも同社で面会し、衛生管理について理解を深めた。
今後、シカ肉解体に取り組む施設などを見学し、筑北独自の民間解体施設の構想を練りながら賛同者・協力者を募っていく。呼び掛け人の砂子慎哉さん=安曇野市=は「規模感やコスト、立地を探りつつ、捕獲・解体を担う地元の人たちが誇りを持ってジビエ肉を出荷できる安心安全な解体処理施設を模索したい」と話している。
