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2025年

デリカのレタス収穫機 中小企業新技術賞で優良賞 国内初の実用化

2025/05/27
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 農業用機械の製造、販売を手掛けるデリカ(松本市和田)が開発したレタス収穫機がこのほど、「第37回中小企業優秀新技術・新製品賞」(公益財団法人りそな中小企業振興財団など主催)の一般部門で、優良賞を受けた。8年かけて開発に取り組み、国内で初めて実用化した製品が高い評価を受けた。
 同社によると、葉がふわふわしているレタスは、つかみどころがなく機械で傷つけずに収穫するのが難しい。開発した収穫機はスポンジクッションでレタスを優しく支えて運び、新潟県の燕三条の刃物メーカーの包丁でカットし、畑に収穫したレタスを置いていく。2畝同時に収穫できる。
 収穫機は、デリカが令和2年に事業の一部を譲り受けた旧片倉機器工業が開発に着手していたもので、デリカが引き継いだ。大規模なレタス農家は、高齢化や外国人労働者の減少で働き手不足が深刻化しているため、使用を始めた上田市の農家は「手作業での収穫の10倍は速い」と好評だという。
 金子孝彦社長(63)は「機械化は難しく、他の企業が手を出してこなかった。執念が実った」と話す。レタス栽培は産地により、畝の高さや幅、マルチの有無など栽培方法が違うため、その土地に合った調整が必要で容易に販売に結びつく製品ではないという。だが、金子社長は「受賞はトランプ関税で厳しい環境の製造業としては、明るいニュースで社員みんなで喜んだ。農家が少しでも楽にもうけられる農業ができるようにしていくことがわが社の使命」と語っている。

リーフレタスを収穫しているレタス収穫機。2畝同時に刈り取っていく