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2025年

農業用EVカート導入へ試作車 横須賀の企業が生坂で貸し出し

2025/05/27
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 生坂村内で25日、神奈川県横須賀市の自動車部品製造業・関東化成工業が研究しているEV(電気自動車)カートの農業用の試作実証車がお披露目された。同社は草尾上野巨峰団地のブドウ園での利用を念頭に1年間無償で農家に貸し出し、実用化に向けた意見を寄せてもらう。

 空調付きゴルフカートの開発・販売などを手掛ける同社の新規事業となる。自動車修理整備関連の仕事をしてきた、村議会議員でもある太田譲さん(51)=下生野=が昨年から中山間地域でのさまざまな活用を目指して研究に協力している。農業用はその一環。
 実証車は背丈の低いブドウ棚での輸送を想定した設計の非EVで、車幅やタイヤの大きさ、荷台などの使い勝手を検証し、改良してほしい箇所を指摘してもらう〝たたき台〟の車両だ。現在はブドウ農家が専用の農業車両を使うほか、軽トラックの上部を切って代用するケースもあり、将来的なEVへの乗り換え需要を狙う。
 25日に試乗した農家からは「ケースを軽トラックと同じだけ積めるようにしてほしい」「荷台を傾けられる機構がほしい」などの意見が上がっていた。
 同社の新規事業室顧問・松井克洋さんは「(EV化を早期に実現させ)生坂村をEVを活用した農業の〝ショールーム〟にできれば」と期待する。太田さんはEVカートを将来的に自動化し村内の交通弱者対策にも応用できないか模索しており「脱炭素やEV化を進める村として、企業との連携で地域活性化を図りたい」と話している。