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2025年

松本県ケ丘高100年の写真集と人物誌刊行

2025/05/31
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 松本市の松本県ケ丘高校が創立100周年記念事業で取り組んだ記念誌製作のうち、写真集『写真でつづる県陵の百年』と『県陵人物誌―旧制中学校編』が5月に刊行された。大正~令和にまたがる学校の変遷を約2800枚の写真や図録でたどった写真集と、前身の旧制松本第二中学校の卒業生の中から地域に根を張って活躍した同窓生や恩師を紹介した人物誌だ。いずれも深い母校愛に貫かれている。
 写真集はA4判400ページ。同窓生が平成29(2017)年に編集委員会を立ち上げ、歴史を凝縮した分厚い一冊に仕上げた。大正12(1923)年の開校に始まり、軍事教育の影響を受けた戦前の歩み、新制高校として発足した戦後の授業、クラブ活動、伝統の強歩大会や県陵祭、校舎の移り変わりや学園生活の日常を懐かしい写真の数々で振り返った。
 編集は、沿革史に添って100年の出来事を洗い出し、資料や写真を整理・割り当てていく地道な作業だったという。80周年でまとめた記録やその後の20年で撮りためた写真の他、同窓会事務局長の常盤欣司さん(84)が40年近くにわたって収集した古書や写真、新聞記事などが役立った。
 人物誌はA5判332ページ。医師や教育者、画家、裁判官、実業家ら32人を取り上げ、各界で活躍した卒業生130人余の「県陵群像」も載せた。創立110周年には新制高校編の刊行も目指すという。
 常盤さんは「いずれも県陵の良さを再認識できる内容。後に続く世代が誇りを持って学び、活躍してくれるように」と願っていた。
 今秋には100周年記念誌も刊行される。写真集は5000円、人物誌は4000円。問い合わせは同窓会(電話0263・32・0666)へ。

完成した県陵100周年の写真集(中)と人物誌(右)