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2025年

仮想空間「ばーちゃるまつもと」活用し学習応援へ 販売実習、不登校支援も CFで資金募る

2025/05/31
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 横浜市から今月移住したシステム会社社員の渋谷透さん(62)=松本市大村=が、松本の魅力を発信するインターネット上の仮想空間(メタバース)の「ばーちゃるまつもと」を活用して、子供たちの学習を応援する取り組みを個人で始めた。空間を改良する費用などをクラウドファンディング(CF)で募っていて、協力を呼び掛けている。
 「ばーちゃる―」は昨年10月、松本市などが参画する産学官連携組織の「デジタルシティ松本推進機構」のプロジェクトとしてネット上に公開された。アーケード街だったころの六九商店街(大手2)や、3月末で閉店した井上本店(深志2)などを再現している。本年度は機構の手を離れて民間での本格運用が始まり、渋谷さんも携わっている。
 渋谷さんの構想では、信州大学付属松本中学校の生徒が空間内の井上本店の店内で、山賊焼きや工芸品といった松本の名産品の販売に挑戦する。空間のシステムを利用し、学校に行かない子供たちの学習支援をする市教育委員会の「オンライン教育支援センター」の技術支援もする。他にも市内のみそ蔵のみそを利用した家族向けの料理教室を企画している。
 渋谷さんは昨年度、民間企業の社員として「ばーちゃる―」の立ち上げに携わった。その間に松本の人々との交流を深め、「人生最後の挑戦を松本でやってみたい」と思うようになり、家族と松本に移住して今回の取り組みを始めた。「子供たちが潜在力を伸ばすきっかけになるといい」と願う。
 CFサイト「レディーフォー」を通じて6月30日まで資金を募る。目標金額は150万円で、到達し次第、次の目標の300万円を目指す。返礼品などの詳細は同サイトで確認できる。

CFへの協力を呼び掛ける渋谷さん