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大桑の「中山」 憩いの場に 独立した里山 眺め良く 村が歩道開設 6月完成へ 森林整備も計画

大桑村が整備活用を計画する中山

 大桑村は、長野地区の中心部にある独立した里山・中山の整備活用事業を計画している。ナラ枯れで倒木の危険性があるなど整備が求められる一方、住民の身近な場所に位置することから、地域の意見を取り入れて活用法も探っていきたい考えだ。まずは山中に歩道を設ける予定で、近く工事を始める。

 中山は山頂が660㍍で、森林面積が26・3㌶。周囲に村役場や大桑中学校、JR大桑駅がある。竹林が森に浸食し始めていることや、クマやサルの生息域となっていて農作物や人に被害が懸念されることなどの課題があり、整備に乗り出す。
 整備する歩道は3地点を結ぶ計約1㌔余りで、現在ある獣道を約1・5㍍幅にし、周辺の雑木除去などもして日差しや安全を確保する。住民が立ち入りやすい環境に整え、山の様子に触れて在り方を考えてもらう目的だ。
 まずは北東の八幡神社の参道と、南西の平和公園を結ぶ第1工区約500㍍に着手する。その後南東につながる第2、3工区を施工する。村は6月をめどに全工区の整備完了を見込む。第1工区は木曽南部森林組合が工事を請け負い、事業費は550万円。森林環境譲与税を活用する。
 昨年10月に歩道整備について住民向け説明会を開いた。今後は今秋ころまでに地域の意見を集め、反映させた森林整備を令和8年春から行う予定でいる。村産業振興課は、山頂から周辺地域を見渡す眺めなど、中山には活用に期待できる材料があるとし「地域のシンボルになり得るのでは。住民と一緒に今後を考え、親しまれていくような整備活用ができれば」と話している。