障害者サービス 手帳代わりにアプリを提示 松本市が文化施設やバスで導入へ
松本市は3月1日から、国宝の松本城、旧開智学校校舎など市内の文化観光施設や、市内の公共バスなどで「障害者手帳アプリ」を利用できるようにする。障害者が各種施設を利用する際、障害者手帳の代わりにスマートフォンの障害者手帳アプリ「ミライロID」の画面を提示することで、入場料の無料化や割引のサービスを受けられるようにする。県内市町村では諏訪市に続く2番目の導入となる。
アプリは大阪市の民間企業が運営しており、障害者手帳を写真撮影して審査を受け、登録することで利用できる。昨年12月の市議会定例会の一般質問で導入要望が出され、市が検討を進めてきた。
市内では17の文化観光施設と、野麦峠スキー場やラーラ松本など4カ所のレジャー施設、市営バスやタウンスニーカーなどの公共バスで無料化や割引などを受けられる。全国では217自治体が導入し、民間企業も数多く登録している。
アプリには利用可能な施設の一覧が載っており、松本城などが加わることで市の観光PRも期待できる。臥雲義尚市長は「障害者の方が手帳を提示するのは心理的負担にもなる。スマホの提示は身近な光景で、負担が軽減されると思う」と述べた。
市内の障害者手帳所持者は約1万5000人。障害者手帳の提示による割引などのサービスは、JRやバス会社、中日本高速道路などの交通機関や、携帯電話会社、飲食店などさまざまな民間企業が行っている。市は「市内で障害者割り引きを実施している民間事業者に、アプリを使えるように登録依頼を行っていく」と話している。