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古い民家再生「助けます」 松本地方の有志がレスキュー隊結成 

かわかみ建築設計室が入る建物をデザインしたトートバッグ

 長い年月を経た古い民家を取り壊しから救おうと、松本地方の有志が「民家レスキュー隊」を結成した。良い材料が使われ、職人の技量の高さが分かる建物や、暮らす人の思いが詰まっている建物には価値があると指摘。維持、改修について、持ち主の相談に乗ったり、再生プランを示したりする。レスキュー隊の活動資金を得るため、トートバッグを制作した。広く協力を呼び掛けている。

 建築士、大工、大学生ら4人が参加し1月に活動を始めた。古民家再生に関心が向けられるようになったものの、再生工事は浸透していないと考える。特に、過疎地で使わなくなった民家が放置されているケースが目立つという。
 再生に向けては、建物の良いところを見つける点を大切にする。家族構成やどんな暮らしをしたいのかといった、持ち主の考え方を確認する。現地での再生のほか、別の場所に移築することも視野に置く。
 松本・佐久地方で、空き家物件の改修方法を持ち主に助言するなど、取り組みを進めている。隊長を務める、かわかみ建築設計室(松本市大手5)の川上惠一さん(70)は「(年月を経て)民家は丈夫になっていく。直して使い続けるのが大事。『古民家を欲しい』という人が増えてほしい」と話している。
 トートバッグは1個1500円(税込み)。かわかみ建築設計室で扱っている。問い合わせは同設計室(電話0263・33・8200)へ。