2023.02.21 みすず野
リレーコラムで山本省先生が関東と関西の流儀の違いを挙げておられた。温かいそばの汁の色や、肉といえば豚か牛か―は小欄も何度か触れた覚えがあるが、豆腐の固さもとは知らなかった(また南禅寺の近くで湯豆腐を食べたい!)◆団体旅行でバスを例えば5台連ねる場合、関西では5号車が先頭を走った。ひっきりなしに入ってくる有名社寺の駐車場で、係員は後続が4台だと一目で分かる。逆番と言った。関東のバス会社の1・2・3―の順が正番だ。今どうかは分からない―そもそも団体旅行が減ってしまった◆あくまで例え話だが―正番と逆番が混在したら困るだろうか。相反する二つの一方が他方を排撃しがちな昨今の世相である。どちらかに決めて従わなければならないルールは当然あるけれど、互いに他方の考えを尊重し認め合うゆとり―例えをバスに戻すと、ナンバープレートをちらっと見るとか―も心に留めたいと思う◆幅が狭い山岳道路の待避所でも逆番は効果的だった。すれ違いを待つ側のいら立ちや怖い思いが軽減される。関東には関東の意地があるらしく、まねはしないで「1―5」と表示するようになった。