理容店に"看板ガンダム" 穂高柏原の「とこやの丸山」に12分の1模型

大きなガンダムあります―。安曇野市穂高柏原の理容店「とこやの丸山」で、巨大なプラモデルが存在感を放っている。人気アニメ「機動戦士ガンダム」のモビルスーツ・ガンダムの12分の1スケールで、高さは1.5メートル。店主・丸山三七子さん(79)のお気に入りだ。仁王立ちする姿は店を守っているようで、20年来の光景になっている。
ガンダムが好きだった長男のプラモデル作品を店で飾るようになり、大小7体のガンダムが置かれている。丸山さんは「実はガンダムってよく知らないけれど、子供たちがテレビで見ていた(約40年前の)あの時代にこれだけ洗練されたアニメ作品を作った人はすごい」と感心する。
大きなガンダムのプラモデルは平成18(2006)年に発売された。1000体限定で価格は36万円だったという。長男から発売の情報を聞いた丸山さんが、アマチュア無線仲間に入手と組み立てを依頼した。「当時は店の景気が良い時だったから、すぐに買った」と振り返る。
説明書によると重さは35キロ。リモコン操作でバルカン砲やハッチ開閉音、照準スコープ音、宇宙空間移動音など15種類の効果音が出る。以前は、店が正月休みの時だけ出入り口に移動させ、通常は取り付けていないシールドやライフル、ビームサーベルをフル装備させて楽しんだ。
店の扉には、店名の他に「ガンダム」の文字も。理容店とガンダムという異色の取り合わせだが、常連客には見慣れた光景だ。50年ほど通っているという男性は「普通にあるもの」と笑う。写真を撮っていくガンダムファンもいたという。
ガンダムを「かわいい」と表現する丸山さんは「私が死んだときはひつぎに一緒に入れてほしい」と冗談めかして語っていた。