守れ穂高古墳群 官民協力 文化遺産後世へ

安曇野の古代史を学ぶ「安曇誕生の系譜を探る会」(百瀬新治会長)はこのほど、安曇野市教育委員会と穂高有明の穂高古墳群・B4号墳の養生作業をした。会員と市文化課の計14人で作業し、古墳の石積みの保護と安全対策のため、石室に土のうを敷き詰めた。
穂高古墳群は6世紀後半に築かれ、うちB群は37基が天満沢川沿いに分布する。B4号墳は全長15メートル、高さ2・3メートル、幅1・7メートルとB群内では中堅クラスの大きさで、石室は残っているが天井石の大部分が失われている。
今夏、市教委がB4号墳を覆っていた雑木を伐採したところ、石室がむき出しになってしまったため、子供たちが中に落ちたり石積みが崩れたりしないように、土のうを敷き詰めることにした。会員たちは手分けして土のうを作り、バケツリレーのように古墳の上まで土のうを運んだ。
同会はこれまで、穂高古墳群のA6号墳(犬養塚)の草刈り作業に取り組んできた。百瀬会長は「周辺の整備だけだと古墳を守れない。大事な資料や遺産を受け継いでいくため、市と協働で保存活動ができれば」と力を込めていた。文化課の堀久士・文化財保護係長は「歴史や文化財に興味がある方たちが協力していただき、ありがたい」と感謝していた。