政治・経済

松本の冷泉小屋再生 乗鞍の道しるべに

新しい顔となった冷泉小屋と新オーナーの村田さん夫妻

 北アルプス乗鞍岳(標高3026㍍)中腹で15年以上休業していた冷泉小屋(松本市安曇)が今季、リニューアルオープンした。創業91年の山小屋で、建物の構造と敷地に湧く冷泉を生かし、ゆっくり滞在できる場所に改装した。東京と松本を拠点にするCM・映像プロデューサーで登山愛好家の村田淳一さん(55)と実樹さん(48)夫妻が再生プロジェクトを立ち上げて経営を受け継ぎ、小屋や乗鞍のファン、賛同者の協力で再スタートを切った。

 小屋は乗鞍観光センターからバスで約40分の県道乗鞍岳線沿いにある。内装は欧風で個室とドミトリーがあり、ゆったりした間取りのカフェスペースの窓からは雲海や夕景、星空が望める。硫黄成分を含んだ冷泉を沸かす風呂も備えた。宿泊の夕食は北イタリアチロル地方の料理が中心で、日中はランチやカフェ営業をする。地元食材や、安曇野で暮らす村田さんの両親が栽培する野菜も使う。小屋で一日中のんびり快適に過ごせるよう工夫した。
 営業初日の1日はサイクリストが次々に足を運び、冷たい飲み物で休憩した。三重県の佐藤孝弥さん(46)は「雰囲気がよく、畳平までの中腹にあり便利。交流もできる」と期待していた。
 かつて山スキーや登山の客でにぎわったが、マイカー規制や時代の流れで利用客が減り休業した。曽祖父の代から受け継ぐ4代目オーナーの筒木東洋男さん(78)が休業中も小屋を守り、譲り受けた村田夫妻が再建の知恵や支援を募るオンラインイベントを開き、クラウドファンディングで改装資金を集め、支援者は250人を超えた。
 筒木さんは「再び乗鞍の道しるべとなり、乗鞍の魅力を発信する場所になる」と感謝し、村田さんは「大勢の支えのおかげ。登山をしない、自転車に乗らない人も来られる居心地よい山小屋にしたい」と話した。
 宿泊は22日から。営業は10月末までの金・土・日曜日。問い合わせは冷泉小屋(電話070・7566・0352)へ。

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