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天蚕の卵3万粒和紙にのり付け 安曇野市天蚕振興会が作業

のり付け作業に励む参加者たち

 天然の蚕・天蚕(ヤママユガ)の技術継承や生産に取り組んでいる安曇野市天蚕振興会は28日、穂高有明の市天蚕センターで卵を和紙にのり付けする作業をした。卵を和紙ごとクヌギの枝に取り付ける「山付け」のための準備で、会員とボランティアの約20人が伝統の作業に励んだ。

 直径1センチほどの穴が100個開いた専用の型枠を使い、柿渋とわらび粉で作ったのりを和紙に塗った後、卵をざらっと転がしてのりが付いた部分に平均で15粒貼り付けた。ボランティアで参加した松本市笹部1の主婦・山﨑朱美さんは「虫の一生と糸作りが総合されている。天蚕は奥が深い」と貴重な体験に関心を深めていた。
 のり付けされた卵はこの後、飼育員によって穂高有明のクヌギ林で山付けされて4~5日でふ化する。幼虫はクヌギの葉を食べて脱皮を4回繰り返し、7月には糸を吐いて緑色の繭をつくる。天蚕の繭から取れた糸は「繊維のダイヤモンド」とも呼ばれている。
 天蚕の飼育に携わる振興会会員の高齢化が課題で、今年の卵は約3万粒と例年より2万粒ほど少ない。田口忠志会長は「伝統産業を守りたいという志ある人がなかなか出てこない。天蚕をやってみたいという人がいれば声を掛けてほしい」と呼びかけている。
 問い合わせは天蚕センター(電話0263・83・3835)へ。