政治・経済

乗鞍観光センター 脱炭素の拠点へ一新 国交付金活用し8年開館へ

築35年が経過した乗鞍観光センター。ゼロカーボン拠点施設として再生する

 松本市は、乗鞍高原の観光案内などを行う市乗鞍観光センター(安曇)を「ゼロカーボン拠点施設」として建て替える計画を進めている。自家用車からEV(電気自動車)や自転車などに乗り換える交通結節点の機能を強化するほか、施設で使うエネルギーを最大限自給自足する。脱炭素に先行して取り組む国立公園エリア「ゼロカーボンパーク」に登録された乗鞍の「顔」として令和8年4月に開館させる方針だ。

 市は、現地または付近の市有地での建て替えを検討する。新たな機能として、公道を低速走行する電動車(グリーンスローモビリティー)や、電動アシスト付き自転車などのレンタル事業を想定する。環境に優しい乗り物で、高原内の一の瀬園地やスキー場などを周遊する「サステナブルツーリズム」を実現する。
 新施設は、電力自給や省エネでエネルギーの収支をゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」(ZEB)を目指す。太陽光パネルやまきボイラーの導入、地中熱の活用、小水力発電施設からの電力供給など「可能なものを全て検討していく」(アルプスリゾート整備本部)。
 市は本年度、地元住民や専門家、県などと協議しながら基本計画を定め、6~7年度に工事を行う。総事業費は未定。全国から選ばれた環境省の「脱炭素先行地域」として国の交付金を充てる。同本部の石田英幸次長は「ゼロカーボンパーク第1号を意識して環境配慮型の観光地にしていかなくてはならない。それがイメージできる場所にしたい」と話す。
 現施設は食堂やイベントホールなどを含む地下1階地上2階建て延べ1397平方メートルで昭和61(1986)年に旧安曇村が建設した。老朽化が著しい上、観光案内窓口が分かりづらい、最盛期には屋外にバス待ちの長蛇の列ができるといった課題が浮上していた。

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