連載・特集

2022.5.27みすず野

 中山道の峠道で外国人のカップルに声を掛けたことがある。どちらから?当方の語学力が及ばないため、2人の間柄や旅行の目的はよく分からない。パリだと返ってきた◆女性は大層ご機嫌で感激の面持ちなのだが、男性のほうはそうでもなさそう。えらい所に来てしまったぞといった表情で、額と首筋の汗をしきりに拭っている。かといって不満げでもない。歴史が好きでアウトドア派の妻?に誘われて付き合ったのか。いろいろと想像が膨らみ―日本人ならきっと別行動を取るだろうなと、ほほ笑ましく思った◆政府は一日1万人としている入国者総数を来月から2万人に引き上げ、観光客の受け入れを約2年ぶりに再開させる方針だ。令和3年度に松本城を訪れた外国人客は6395人。平成30(2018)年度は13万人を超えていた。コロナ後を見据えた誘客策の練り直しや情報発信があらためて急がれよう◆くだんの女性が「さあ、そろそろ行きましょう」と言うように男性を促す。深緑の山の中に、おしゃれな街並みのパリからやって来た2人―イメージの落差に加え、そもそも峠歩きにワイシャツと革靴の支度がおかしかった。

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