連載・特集

2022.5.26みすず野

 今から140年前、東京専門学校の開校式。後に「建学の母」と称される小野梓(1852~86)は演説で「学問の独立」を宣言した。その精神は校歌にも「学の独立」とうたわれる(『大隈重信と早稲田大学』早稲田新書)◆県教委が決めた県立高校の再編3次案で、当地では2校の設置が盛り込まれた。箇条書きの学校像からだと、いわゆる"建学の精神"がいまひとつ伝わらない―と感じるのは筆者だけだろうか。再編の理由は少子化であっても将来、新校に通う生徒たちにはかけがえのない母校である◆南安曇農と穂高商、池田工はいずれも歴史が百年を超え、それぞれ地元とのつながりも強い。塩尻志学館と田川の統合には「唐突」との受け止めもあった。たとえ結論はどうなろうとも、地域の大人が学校に込めた願いを語り合ってもらいたい◆小野の意図は―外国の学問や政治権力からの独立にあった。講義中に思いがあふれるあまり涙を流すほどの熱血漢で、学生もまた泣きながら聴いたという。肺結核のため若死にし、大隈を「両腕を取られたよりも」と嘆かせた。早稲田カラーのえんじ色は教壇で吐いた血の色だと聞いた。

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