連載・特集

2022.5.21 みすず野

 タラの芽、コシアブラ、コゴミなど人気の山菜はいくつもある。それに比べると、ワラビは2番手といった位置付けだろうか。プロ野球だと、ベンチ入りはしているが、スターティングメンバーに名前が載らない選手か◆子どもでも見つけられるなど簡単に採取できるので、ありがたみがないのかもしれない。里山の土手や、何年も休耕している畑で見られる。一度採った場所でも、後日足を運べばまた見つけられる◆万葉集に「石ばしる垂水の上のさわらびの萌えいづる春になりにけるかも」(志貴皇子)がある。「ワラビは、万葉時代に蕨菜とよばれていたので、古代から親しまれてきた山菜」(廣野卓著『食の万葉集 古代の食生活を科学する』中公新書)で、「さわらび」は芽生えたばかりのワラビのこと◆ワラビは山菜のつくだ煮、煮物、漬物などで販売されている。山菜そばを頼むと、他の山菜とともにそばの上にのってくる。同書では万葉の時代も他の山菜や春菜とまぜてかゆにしたり吸い物や加薬飯にしただろうという。ただ、庶民の食では米ではなくアワ、ヒエだったろうと。そんなことを考えながら、さあ出かけましょう。

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