連載・特集

2022.5.20 みすず野

 古道歩きをかつて一緒に楽しんだ木祖村の柳川浩司さん(66)から、報告会を開くとお知らせが届く。コロナ禍で延び延びになっていたのだ。木曽谷に江戸時代以前からあったとされる道筋をたどろうと、月ごと区間を決めて歩き始めたのは5年前の春◆初回は同村菅から風吹峠を越え、木曽町の奥幸沢を経て黒川まで。2回目は黒川~三岳だった。沢を登り詰め、ささやぶを鎌で刈りながら、山を真っ直ぐに突っ切る。昔の人は現代人と違って勾配を苦にしなかった。谷底を行くよりもこちらのほうが明らかに近い◆こんな山の中に道が通っていたのかと、いぶかしむ声もあろう。尾根道に「明治40(1907)年生まれの同郷6人が30歳を記念して建てる」と刻んだ石碑が倒れ伏していた。80年前の道しるべである。4人がかりで持ち上げ、台座と見られる石にぴったり据わった時のうれしさ、感激といったらなかった◆西古道を歩き終えたら折り返し、木曽川を挟んで中央アルプス側の東古道も踏査しよう。トレッキングの催しが開けたらいい―そう語り合った日が懐かしい。報告会はあす21日午前10時半から大桑村歴史民俗資料館で。

連載・特集

もっと見る