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新選組副長・土方歳三の愛刀? 松本の佐藤さんが入手

佐藤さんが入手した土方歳三ゆかりとされる「備前國長船住横山藤原祐永」

 松本市の刀剣コレクター・佐藤肇祐さん(47)が今月、幕末に活躍した浪士隊・新選組の副長・土方歳三(1835~69)が所持したとされる日本刀「備前國長船住横山藤原祐永」を入手した。新選組ファンの佐藤さんは土方の愛刀との思わぬ出合いを喜び、お披露目の展示機会があればと願っている。

 祐永は刃渡り2尺7寸(約82㌢)。刃文は直線の「直刃」で、装飾性の高い「乱れ刃」が多い備前長船(岡山県)としては珍しい。茎(柄の金属部分)の側面に刀銘と「文久三年八月吉日」が、峰に「為新選組副長土方歳三作」が入る。拵(刀装)の鞘は隊士・永倉新八の家紋「石持ちに松皮菱」だ。平成23(2011)年に京都市にある幕末・明治期の専門博物館「霊山歴史館」の企画展で「土方歳三所用刀」として展示された。
 佐藤さんは今月上旬、京都市の老舗刀剣店で非売品展示されていた祐永を偶然インターネットで発見した。すぐに店へ赴き店主と5時間にわたり新選組や日本刀への熱い思いを伝え、店主の言い値で譲り受けた。提示された代金は、会社勤めの身ながら「清水の舞台から飛び降りる思い」でなんとか工面したという。
 ただ複数の専門家は、茎の銘に比べ峰の銘は字体が若干異なり「後に入れたのでは」と指摘する。日本美術刀剣保存協会元理事の上條榮さん(73)=松本市神林=は「備前長船だと思う」とした上で「直刃は強靱で美術的価値より戦闘向けを意識した実戦仕様だ。銘も後の持ち主が土方の刀と知る人物で"伝"として入れた可能性がある」と推察する。
 霊山歴史館の当時の学芸課長で現アドバイザー・木村幸比古さん(73)=京都市=は「居合の範士8段の立場で見てもバランスの良い刀。一定の信憑性もあり展示した。後に入手した人物も拵通り永倉かも」と歴史ロマンに思いをはせた。
 佐藤さんは「松本は国宝松本城を抱く城下町。自分だけでなく、多くの人にも見てもらい日本刀文化に触れてほしい」と話している。