政治・経済

麻績の棚田 「つなぐ遺産」に

 麻績村市野川の棚田が、農林水産省が本年度選定した「つなぐ棚田遺産」に選ばれた。平成11(1999)年に全国の優れた棚田134地区を選んだ「日本の棚田百選」から20年以上がたち、棚田保全の状況が変化していることから、棚田百選に代わって全国の優良な棚田271地区を同省があらためて選定した。棚田の維持・保全活動を評価し未来につなぐ機運を高める狙いで、県内では15地区が選ばれ、松本地域は麻績が唯一だった。

 市野川の棚田は約19・7ヘクタールあり、聖高原に至る国道403号沿いの山あいに広がる。地域住民でつくる「市野川集落協定」が管理し、村内の農業団体と連携して子供たちとの田植え交流を開いたり、傾斜地で負担が大きい草刈り作業に無線操縦式の草刈り機を導入したりするなど、次世代につなぐ棚田管理を目指している。市野川集落協定の代表・久保田栄次さん(73)は「中山間地での田んぼの維持や草刈りは大変。地道な取り組みが認められたのではと思う」と話している。25日にはオンラインで認定式が開かれ、金子原二郎農林水産相名の認定証を村職員が久保田さんに伝達した。
 選ばれた棚田での取り組みは、農林水産省HPやイベントで広く発信され、共通ロゴやオフィシャルサポーターの企業の協力を受けたPR活動ができる。
 農林水産省の担当者は「農家の高齢化や担い手不足で荒廃の危機に直面している棚田も出ている。今回の認定で頑張っている棚田を応援し、国土の保全や景観形成、文化継承を果たしてきた棚田の素晴らしさを発信できれば」としている。