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塩尻の古民家 三郷に移築 うなぎ店に再生 解体進む

解体作業が始まる前の古民家

 塩尻市大門三番町の旧中山道沿いにある築137年の古民家が、安曇野市三郷温に移築され、うなぎ店として再生されることになった。元の所有者が亡くなり、長く空き家となっていた。2月下旬に解体作業が始まり、移築先で7月下旬の開店を目指す。

 本棟造りの木造平屋一部2階建てで、延べ床面積は185平方メートル。明治17(1884)年に現在の木祖村薮原の大工が建てた。松の木を渡した見事な梁があり、建物中央にはいろりもある。
 2月11日に神事をして、25日から解体作業が進んでいる。柱や梁は1本ずつクレーンで持ち上げ丁寧にばらしている。建具も極力、再利用するという。移築を手掛けるY建築設計(松本市大手5)の代表・熊谷善紀さん(48)は「昔の梁がそのまま残っていて、とても美しい。奇跡的」と話す。
 以前からこの古民家に着目していたのが、同業のかわかみ建築設計室(同)の代表・川上惠一さん(69)だった。元の所有者が亡くなった後、古民家を管理していた前所有者に取り壊さないよう、10年以上前から頼んでいたという。昨年、前所有者から川上さんに話があり、熊谷さんに話をつないだ。
 うなぎ店は飲食店経営・廣瀬(塩尻市広丘吉田)が営む。新型コロナウイルス禍の中、従業員の雇用を守り、地域活性化に貢献しようと2店目の出店先を探していたところ、熊谷さんから古民家の話を聞いたという。国の事業再構築補助金を活用する。
 川上さんは「古い建物の"嫁入り先"が見つかり、新たな命が吹き込まれて永らえるのは素晴らしいこと」と喜ぶ。廣瀬代表・西森貴芳さん(46)は「プロが太鼓判を押す貴重な建物。わくわくしている。お客さんも従業員も幸せな気持ちになれる店を目指したい」と話している。