自転車で夢に向かって疾走 エクセラン高校3年・麻績の小山大登君

「自転車に出合って人生が変わった」―。エクセラン高校3年・小山大登君(18)=麻績村=は、高校で始めた自転車(ロードバイク)で県や全国の大会で活躍し、さまざまな挑戦や経験を広げてきた。自転車整備の仕事を目指して卒業後は松本市の松本情報工科専門学校スポーツバイシクル学科に進学、ロードレースのトレーニングも続けていく。「自転車は楽しい。自分の力で遠くへも行ける。楽しさを伝えていきたい」と意欲的だ。
小中学校では「教室にいることが好きではなかった」といい、人と関わることも苦手。自宅でゲームをして過ごすことが多かった。転機は高校1年の終わり。アニメ「ラブライブ!」シリーズにはまり、女子高校生が学園のスクールアイドルを目指していろんなことを乗り越え、成長する姿に心を動かされた。「自分にもできる」「自分の力でやってみたい」と、アニメの聖地がある静岡県沼津市に自転車で"巡礼"することを決め、父が買ってくれた自転車で練習を始めた。
2年で初参加した県の新人戦では3位入賞し、競技の練習も本格的化。アップダウンが多い麻績の地形が功を奏し、近所の急坂や峠で自転車をこぐうちに自然と心肺機能強化のトレーニングができたという。ロードレース選手の動画を見るなどしてほぼ独学で技術を磨き、3年の県高校総体では優勝をつかんだ。全国大会(インターハイ)では15位で、全国レベルの選手の実力を目の当たりにし「強くなりたい」という気持ちが強くなった。今後はレースへの挑戦と共に、新型コロナウイルス禍で延期している聖地巡礼を実現することが目標だ。
小山さんは「自転車で自信がついた」と語る。以前は特にやりたいことがなかったが、自転車を通じて仲間とつながり、将来進みたい道ができた。アニメや声優といった自分が好きなものの話も周りに堂々と伝えられるようになり「自分にとってアニメは原動力。これからも沼にはまっていきたい」と笑顔で話す。