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御嶽海3回目優勝 大関昇進ほぼ確実 前へ出る相撲最後まで 

八角理事長(右)から賜杯を受ける御嶽海(読売)

 大相撲1月場所(東京・両国国技館)千秋楽の23日、東関脇・御嶽海(出羽海部屋)が13勝2敗で3回目の優勝を決め、場所後の大関昇進をほぼ確実にした。賜杯を抱くのは令和元年9月場所以来、13場所ぶり。3回目の技能賞も受賞し、栄冠に花を添えた。

 盤石の相撲を見せた御嶽海が、照ノ富士(伊勢ケ濱部屋)との結びの一番を制した。低く当たって左からおっつけ、最後は巨漢横綱の懐に入って寄り切った。
 今場所の御嶽海は初日に宇良(木瀬部屋)を押し出しで下して白星で滑り出し、9日目まで土つかずで快走。前に出る圧力と相撲の巧みさが光り、平幕相手に2つ星を落としたが、群を抜いた安定感で白星を重ねた。貴景勝(常盤山部屋)が途中休場、正代(時津風部屋)が負け越しと両大関が存在感を示せなかった中、主役の座を譲らなかった。
 御嶽海は13勝を挙げて、大関昇進の目安とされる「直近3場所を三役で33勝以上」に到達した。昇進は、場所後に招集される臨時理事会、番付編成会議を経て正式に決まる流れとなっている。県勢の大関が誕生すれば、圧倒的な強さで伝説の力士とされる江戸時代の雷電以来、227年ぶり。来場所は大阪市のエディオンアリーナ大阪であり、3月13日に初日を迎える。番付は2月28日に発表される。

 優勝を2度経験し、大関候補と言われて久しい実力者ながら、ここまでの道のりは平たんではなかった。大関昇進では貴景勝や正代などに先を越された。鋭い立ち合いからの一方的な相撲で連勝したかと思うと、あっさりと土俵を割る相撲を見せる。大関とりに求められる2桁の白星を安定して挙げられなかった。
 昨年12月に29歳の誕生日を迎えた。土俵人生の真価が問われる20代最後の1年間の最初の場所で、自身初めて三役として連続2桁勝利を決め、これまでの「壁」を越えた。御嶽海が相撲を始めた小学生の頃から成長を見守ってきた木曽相撲連盟顧問の三村喜一郎さん(90)=木曽町新開=は「前へ前へと出る意識がすばらしかった」と目を細め、県相撲連盟参与の中村協和さん(75)=木曽町福島=は「足が前に出ていた。何より落ち着いていた」と評価した。
 大関昇進がほぼ確実な状況となった。御嶽海後援会幹事長の村上智明さん(53)は「力は十分あったが、なかなか昇進につながらなかった。本人も苦労して苦しい目にあったと思うが、その経験を踏まえてつかむ大関の地位だけに価値がある」と言い切る。
 県相撲連盟理事長で、木曽町立福島中学校(現木曽町中)の相撲部顧問として御嶽海を指導した安藤均さん(63)=塩尻市広丘原新田=は大関昇進をたぐり寄せる3度目の優勝を「本当にうれしい」と喜び「大関は協会の顔で力士の手本にならねばならない大変な地位。これからも関取らしく前に歩みを進めてほしい」と願った。
 平成27年3月の初土俵を踏んでから7年。故郷・木曽の住民が「応援団」として御嶽海の背中を押し続けた。安藤さんは「(28年に76歳で急逝した木曽相撲連盟の前会長)植原延夫さんが生きておられたらどれだけ喜んでくれただろう」とも話した。