政治・経済

感染拡大で人繰り四苦八苦 業務維持へ「祈るしかない」

着陸機を誘導する松本空港の地上スタッフ。便の維持には規定数のスタッフが必要だ。公共交通機関は欠勤者が増えた時の対応に苦慮している

 新型コロナウイルスの感染拡大で従業員が感染者の濃厚接触者になって欠勤が増えることが予想される中、各職場では通常より少ない人員で業務を維持する態勢づくりが急務になっている。事業継続計画(BCP)の策定も呼び掛けられるが、規模の小さな事業所は出勤者でやりくりして乗り切るしかなく対応に苦慮している。

 松本信用金庫(松本市丸の内)は欠勤者が増えた場合、本部から応援の職員を出して顧客との接点となる営業店の機能維持を優先する方針を決めている。組織内ではBCPの一環で年明けから業務のガイドラインを強化した。県の感染警戒レベル4以上で訪問活動は原則休止となる。業務推進課の木村茂課長は「資金繰りなどの相談は増えるとみる。オンラインの商談ツールの導入を急ぎたい」と話す。
 飲食店運営の王滝(同市笹賀)は、店舗ごとの出勤状況を見てスタッフを柔軟に配置したいという。コロナ禍後は休業、営業時間短縮と異例の対応が続いてきたといい、広報担当は「その経験が生きるかもしれない」と話す。
 県営松本空港の地上業務を担う、FDAの関連会社・エスエーエスでは空港の運用時間延長に伴い、昨年の緊急事態宣言の発令時よりも人員のやりくりが厳しい。以前実施したスタッフを2班に分けて感染に備える対応は難しいという。欠勤者が出た場合は他空港から応援は受けられるものの臨時的な措置となる。FDA松本空港支店の臼井久美子支店長は「人がいないから運休という訳にはいかず、対応を考えたい」と危機感を口にした。
 民間信用調査機関・帝国データバンクがまとめたBCPに関する意識調査によると、策定済み企業の割合は、小規模企業では大企業の半分以下の26・4%だった。松本市内のある飲食店経営者は「自分の代わりはいない。あとは感染しないことを祈るしかない」と嘆いた。