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60年前の女鳥羽川水害撮影 松本の牛山さん 映像大切に保管

牛山さんが撮影した映像の一部。水浸しになった様子が分かる

 松本市筑摩2の牛山理一郎さん(91)が、昭和34(1959)年8月14日の台風によって市内の女鳥羽川が氾濫し、被災した中心街の映像を大切に保管している。ぜんまい式の8ミリカメラで当日に自ら撮影した。フィルムには、水に覆われた通りを歩いたり、自転車を押したりして、災害で難儀する市民の様子が収められている。

 牛山さんは「女鳥羽川の氾濫被害の映像を保管してある。映像を広め、皆に知ってもらえれば」と考え、編集したものを市民タイムスに寄せた。
 当時、牛山さんの勤務先が宮村町(中央3)にあった。事務所まで水は及び、膝あたりまで漬かった。牛山さんは「たまたま会社に置いてあった」私物の8ミリカメラを手にして撮影した。
 映像には事務所前の通りが映し出される。水浸しの通りをゆっくりと行き交う人々や、タイヤが水に漬かる車が現れる。事務所で女性が足を拭く場面もある。水が引いた後に女鳥羽川の近くに移動し、上土へ通じる一ツ橋や縄手の商店にカメラを向けた。一ツ橋に流木が重なってある様子も分かる。
 被災後は、道にごみが山積みにされ、家財も置かれた。その状態が1週間以上続いた。終戦から14年が経過した頃で食料や物資はまだ不足していた上に「今みたいに、いい重機がないので手作業での片付けが大変だった」と振り返る。
 令和元年10月の千曲川氾濫など、近年は各地でさまざま災害が起きている。「逃げ遅れることがないように早く避難する。互いに心掛けることが必要では」と牛山さんは語る。長年大切にしてきたフィルムを手にし「こういう出来事があったことを伝えたい。若い人たちの参考にしてほしい」と願っている。

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