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脱炭素元年 中信で始動 松本市は再生エネ事業化支援

県内最古の発電所である中部電力薄川第一水力発電所(松本市入山辺)の導水管。明治期に松本平に初めて電灯をともした再エネが再び注目を集める

 気候変動対策の機運が中信地区で高まっている。政府目標でもある2050年までの二酸化炭素(CO2)排出実質ゼロ(ゼロカーボン)を表明している松本市は、再生可能エネルギーの事業参入を支援する協議会を2月に設立する。同じく表明に前向きな安曇野市は令和4年度の環境基本計画の中間見直しでゼロカーボンへの道筋を示す。令和4年は官民ともに「脱炭素元年」になる。

 松本市は今年、企業による再エネ事業化を支援する産官学連携のコンソーシアム(共同事業体)設立、グリーン電力の地産地消を行う地域エネルギー事業会社の設置準備など、矢継ぎ早に取り組みを進める。臥雲義尚市長は「脱炭素で地方都市のトップランナーとして見てもらえる状況をつくる」と意気込む。
 安曇野市の太田寛市長はゼロカーボン宣言に前向きだが「ある程度の確証があっての宣言だ。まずは再エネの現状と潜在力を把握しなくてはいけない」と腰を据える。日照時間の長さを生かした太陽光発電、水田・森林の光合成によるCO2固定化を重視し、太陽熱を空調に取り込む省エネ設備の導入も保育園舎で進める。
 池田町は4年度予算編成方針に掲げた重点テーマの一つに「ゼロカーボン社会の実現に向けた取り組み」を掲げた。
 こうした動きに呼応するように、環境省は全国に先駆けて再エネ活用などに取り組む「脱炭素先行地域」を募集・選定して来年度、予算を重点配分する計画だ。臥雲市長は「申請は必ずする」と明言。環境副大臣の衆議院議員・務台俊介氏(比例北陸信越)は近隣自治体でも申請の動きがあるとし「ぜひやってほしい。全面的に応援する」と歓迎する。
 一方、大規模な太陽光パネル設置が引き起こす景観、自然破壊も顕在化し一部でトラブルも起きている。環境政策を積極的に進めてきた塩尻市でも山間部や農地で急速に設置が広がり「設置が適当でないエリアの規制が必要だ」として年度内にも条例を制定する。松本市も、4年度に制定する方針のゼロカーボン推進条例に再エネの適正な導入に関するルールを定めることを検討する。

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