連載・特集

2022.1.30みすず野

 文章が上達する方法の一つとして、日記をつけるのがよいと、愛読している作家のエッセーで読んだ。それならとつけ始めてからずいぶんたつ。「文章は短く書く」のが大切だとあった▼その効果があったかどうかは大いに疑わしい。初期の目的をほぼ忘れているし誰も読むわけではないから、はしょりにはしょった文章になる。まあ、そんなに簡単には上達などしない。書店に並ぶ『文章上達法』のような本を見よ。あれだけの数があるのは、英会話の本同様、いかに身につかないかという証明ではないかと思うのだ▼文章をつくる言葉は、世の中にこれでもかというようにあふれている。かつてはなかった、インターネットの世界もある。本当に必要な言葉は何か、一つ一つ見極めなければならない。それが人を傷つけることがないように▼言葉を考えるとき、「ことばはたねだ」という短い詩を思い出す。「ことばは たねだ/四方八方に何千何百とまきちらして/芽がでない/かとおもうと/たったひとつが/だれかさんの胸に根をおろし/どんな花がさく」(片桐ユズル『わたしたちが良い時をすごしていると』コールサック社)。

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