連載・特集

2022.1.22 みすず野

 発売中の雑誌『ユリイカ』1月号は、昨年10月に他界した人間国宝の落語家・柳家小三治の特集を組んでいる。三遊亭圓窓、春風亭小朝、柳家花緑らのインタビューエッセイなどで構成。特集は250ページほどのボリュームだ▼作家・矢野誠一と放送作家・高田文夫は「小三治とその時代」のテーマで対談している。「彼は落語を演じようという気持ちはあまりなかったね。結果としてそうなっているけど笑わせようとしなかった(略)」(矢野)「笑いに対して手数を打っていかない(略)噺自体のおもしろさで押す」(高田)「マクラも彼にとってはやっぱり落語だったんじゃないかな」(矢野)▼若いころから実力は図抜けていた。中年以降、「マクラの小三治」と呼ばれ、落語の前に語るマクラの方が落語より長いということも。その中から「駐車場物語」のような傑作が生まれた▼小三治はCD、DVDなどを数多く残した。江戸落語の名人は旅立ったが、ありがたいことに今もその芸を、いつでも楽しめる。感染拡大が深刻なコロナ禍の日々。ここは外出を我慢して、至福のひとときを。演目は寒中のこの時期、「二番煎じ」でいかが。