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上高地の猿 魚食べて越冬 信大など ふんにDNA 世界初確認

 信州大学などの研究グループが30日、松本市安曇の上高地で冬にニホンザルのふんを調べたところ、魚類や水生昆虫類のDNAが検出されたと発表した。サルが河川に生息する魚類を捕食するという報告は世界初としており、厳冬期の栄養源として、河川の生き物に依存する実態を明らかにした。

 研究グループは、平成29(2017)年から令和元(2019)年の3季にわたり調査した。大正池から徳沢まで、約15キロの範囲を対象として38のふんのサンプルを採取し、DNAを網羅的に解析した。38のサンプルのうち、魚類のDNAは七つで、水生昆虫は半数で確認された。
 ニホンザルは冬場、ササや樹皮などを餌とする。水生昆虫を採取するような行動は以前から指摘、観察されていた。進化生物学が専門の東城幸治信大副学長(50)は「水生昆虫のDNA検出は予想していたが、魚類は想定外」とする。
 冬季の上高地は梓川の水位が低下する。梓川に流入する沢は湧き水によって、水温が5~6度に安定する所もある。こうした環境で自由に行動し、栄養価の高い魚類を捕食することが、サルの越冬につながっているとみられる。
 東城副学長は「論文化できたのは一つの成果。上高地のサルが冬場をどうしのぐのか、どう集団を維持するのか、ひも解くことができたのでは」と話している。