連載・特集

2021.12.6 みすず野

 「今後の辞書に載るかもしれない」とうたう三省堂の「今年の新語2021」が発表された。日々活字に触れ、言葉へのアンテナは人一倍高く張っているつもりなのだが...今年も鼻っ柱をへし折られた◆まず大賞の「チルい」が分からない。解説によると、落ち着くという意味のチルアウトからの派生語で「リラックスした様子」を表す。年少の同僚は知っていた。別の同僚は「聞いたことがない」とふんぞり返り、続けて「チルい温泉といった感じで使うのか」と快活に笑った。チルくない温泉などあるものか◆ベスト10のうち、辛うじて理解できたのが2位の「○○ガチャ」ほか三つしかない。目立つのは7位「ギグワーク(単発の仕事)」などオンライン関連だった。5位「人流」は何度聞いても耳障りで、しっくり来ない。「人の流れ」で通じる。息苦しさが伝わる「鼻マスク」や寂しい「黙食」―来年は"コロナ語"が選外からも消えていてほしい◆言葉は生きている。時代に迎合せず、かといって避けることもなく、積極的に関わってアンテナの感度を高めたい。ところで、3位「マリトッツォ」はどこで食べられるのだろうか。