連載・特集

2021.12.3みすず野

 遺言書には葬儀は親族のみ、弔問、弔電、生花、香料等は一切ご辞退すると書かれていた。生前選挙等を通じ多くの方に大変お世話になり、この上で迷惑をかけることはご遠慮すべきである│と◆遺したのは元郵政相で先月91歳で死去した唐澤俊二郎さん。葬儀後に公になった。「清潔と信頼の政治」を信条とした「先生らしい判断だったと思う」と、長年秘書を務めた長嶋賢治さんが語った。長嶋さんの元には「なぜ知らせてくれなかったのか」という問い合わせも相次いだが忠誠を尽くした結果だった◆衆院旧長野4区から立候補したのは昭和44年。元法相の父・俊樹氏の急逝を受けて、地盤を引き継いだ。初出馬以降9回連続当選した。信州大学の広域型キャンパスを画像でつなぐ通信技術を他に先駆けて導入、電気通信事業の自由化や県営松本空港のジェット化など今につながる事業に尽力した◆ふるさとに頭をたれし文化の日。平成〓年に勲一等を受章した際に詠んだ。俳号を「春城」と名乗った。波紋を呼んだ突然の引退から4年後、初めて見る柔和な表情が印象的だった。書も堪能で、中信各地に関わった事業の記念碑が残る。