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思い出の木をペンや皿に 安曇野の樹楽会 伐採依頼主に贈呈

丸太を引き渡した樹楽会のメンバーと矢田さん(手前左)

 安曇野市で里山整備に取り組むボランティア団体「あづみの樹楽会」が、鳥獣被害対策で一般家庭や事業所から依頼を受けて伐採した樹木を活用し、依頼主に木製のボールペンや皿を作って贈るプロジェクトを始めた。上田市の木工作家・矢田末一さんと連携した企画で、依頼主や家族らの思い出が詰まった木を形にして残す。

 樹楽会は、高齢化や高額な費用面の問題から木を切れずに困っている家庭や事業所を対象に、保険代などの実費で伐採を請け負う活動をしている。樹楽会が対応できない高度な伐採技術が必要な場合もあったが、大町市の企業組合・山仕事創造舎とこのほど連携して請け負えるようになったため、活動の幅を広げている。
 伐採した樹木は主にまき材にして市民に安価で頒布し、売り上げは桜の植樹や伐倒講習会など樹楽会の運営に充てている。家庭や事業所で何十年・何百年と見守り続けてきた樹木には依頼主らの思い入れがあるため、「おかえり想い出の木プロジェクト(仮称)」と銘打ち、伐採した樹木の一部を木工品にして返すことにした。
 伐採した木は丸太の状態で矢田さんが持ち帰り、乾燥などの工程を経て6~9カ月ほどでボールペンの軸やサラダボウルに生まれ変わる。このほど、樹楽会が安曇野市内の個人宅や施設で切ったクリと桜の丸太が矢田さんに引き渡された。
 樹楽会では今後も伐採した木の活用方法を検討するほか、鳥獣被害対策で切った木で作った木工製品を「ふるさと納税」の返礼品に加えてもらうことも思い描く。会長の渡辺晃さんや事務局の別府弘祥さんは「地元の木を活用して木の思い出に触れ、里山整備が進めば」と活動の輪の広がりを願っていた。