政治・経済

筑北のシカをジビエに

 筑北村で捕獲されたニホンジカをジビエ食材として活用する動きが、村内で広がっている。村で捕獲された野生鳥獣はこれまで、村猟友会員らの個人消費や埋設処分が中心で市場での活用策がなかったが、食肉加工を手掛ける茅野市の事業者の協力で今夏、村原産ジビエとして取扱いできる体制ができた。活用の第一歩として村内小中学校の給食にジビエ料理が登場したり、飲食店がメニュー開発に取り組んだりしている。

 村内で試験運用され、茅野市の事業者が所有している食肉加工の車両「ジビエカー」や同社の加工施設が今夏、信州産シカ肉の処理施設として県の認証を取得したため、村内で捕獲され同社の施設で処理された肉を村原産のジビエとして扱えるようになった。
 西条温泉とくらでは、食堂で筑北のシカ肉を使ったメニューを充実させ、今秋にはミンチ肉を使ったスパゲティ「シカ肉のボロネーゼ」の提供を始めた。19日には、シカ肉が入ったキーマカレーを限定販売する(午前11時半からなくなり次第終了)。信州ジビエマイスターの資格を持ちメニュー開発を担当する花岡寿郎料理長(59)は「ジビエを特色に村を訪れてもらうきっかけづくり、活気づくりにつなげたい」と話す。南信から仕入れたシカ肉を使っていた「とくらダムカレー」(1日限定10食)は、今夏から村の肉に変えたという。村はジビエ振興に向け、飲食店に活用を呼び掛け、希望する店舗に材料を提供している。
 小中学校の給食では10月にジビエが登場した。筑北小では、シカのミンチ肉とミートソースを合わせたスパゲティが登場し、児童の1人は「初めて食べたけどおいしかった」と笑顔で味わった。
 村内では野生鳥獣による農林業被害が増加傾向で、村産業課によると最も被害が多いシカは年間約400~600頭が捕獲され、本年度は例年より多い700頭に迫る見通し。県や企業との連携で商品開発を進める計画もあり、産業課の担当者は「ジビエの特徴や味を知ってもらい、ジビエ振興、村の資源活用につなげていきたい」と話している。

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