政治・経済

塩尻市の生活保護受給じわり加速 上半期、前年度上回るペース

 塩尻市で生活保護の受給が増えている。本年度上半期の受給開始(32件)は前年度1年間(46件)の7割近くに上り、申請(36件)も昨年度(61件)の6割近くに達した。いずれも通年で過去最多だった前年度よりやや速いペースで推移する。上半期の被保護世帯は294世帯・378人で、前年度同期の283世帯・371人を上回っている。

 保護開始の主な理由には、預貯金の減少・喪失(45.2%)、世帯主の疾病(19.4%)などがある。新型コロナウイルス感染拡大の影響は、離職などの経済困窮者に家賃相当額を支給する「住宅確保給付金」が活用されていることから、市は生活保護の動向に直接的な影響はないとみる。
 被保護世帯は、65歳以上の高齢者の単身世帯が112世帯(38.1%)と最も多い。障害者単身世帯が52世帯(17.7%)、その他単身世帯が41世帯(13.9%)と続く。その他には「ひきこもり」の人が、親の死亡で年金収入が途絶えて受給を開始する深刻な事例もあるという。
 市の生活保護受給者数は、世界金融危機に陥った平成20(2008)年のリーマン・ショック以降、高止まりの傾向が続く。過去最多だった昨年度の被保護世帯数286世帯・被保護人員371人は、5年前の平成27(2015)年に比べると、世帯数が17.2%(42世帯)、人員が12.8%(42人)増えた。
 市福祉課にはケースワーカー5人、就労相談を受ける就労支援員1人が配置されている。親族との関係性が悪く支援が受けられない複雑なケースもあるなど、必要があるのに生活保護制度の利用ができていない事例も想定し、同課の青木薫課長は「相談できない人の掘り起こしも必要。地域の人にも関心を持ち、困っている人に目を向けてほしい」と話す。