連載・特集

2021.11.29 みすず野

 あぁ今年も優勝できなかった。ため息をつき、手に取る本のタイトルは『阪神タイガース1985―2003』中川右介著、ちくま新書。優勝年に挟まれた17季のうち15季が4位以下―世に言う「暗黒時代」の球団史である◆とにかく弱かった。応援し始めて42年間で優勝の喜びを味わったのは3回。巨人の監督はこの間17回も宙を舞っている。開幕5連敗で最下位に沈み一度も浮上することなくシーズンを終えたり、暑い盛りから監督の去就が取り沙汰されたり。何度ファンをやめようと思ったことか◆松本山雅FCはきのう試合終了間際に追いつく執念を見せたが...J3への降格が決まった。悲鳴と怒号、嘲笑が飛び交うSNSで「これからも山雅が好き。応援し続けます」と見て救われた。多くのサポーターの思いであってほしい。将来「今の山雅があるのは、あの苦しい時期があったからこそ」と言えるよう出直したい◆暗黒時代の阪神にも残り5試合で三つ勝てば優勝という年があった。新庄の敬遠球サヨナラ打は痛快だった。楽しかった思い出を酒のさかなに、いつか喜び合える日を信じて虎ファンは「来年は寅年」と前向きだ。