連載・特集

2021.11.26みすず野

 特急しなのの車窓から見える景勝地に、上松町の名勝・寝覚の床がある。もともと花こう岩地帯だったところを木曽川の流れが削り姿を現したとされる。自然の力によって造られた奇岩と清流は幻想的だ。竜宮城から戻った浦島太郎が暮らしたという伝説も残る◆ご当地出身の大相撲の関脇・御嶽海が好調だ。3年連続で負け越していた11月場所で、きのうまで9勝3敗。苦手意識を払しょくできただろうか。ここ何場所かは、解説者や審判部の親方衆に「序盤は強い」「強い御嶽海と弱い御嶽海がいる」「ムラがある」などと評されている。大関を狙える実力がある故の期待の裏返しでもある◆先日の本紙に上松町の有志でつくる「あげまつ元気会」の皆さんが、御嶽海に贈る化粧まわしを作ったという記事があった。青色の下地に浦島太郎を模した町のキャラクターが、大きなタイを釣り上げる場面が刺しゅうされている◆ふるさとの人たちは温かい。「もっとしっかりしろ」と思いながらも「頑張れよ」の思いを形にしてくれる。転んで擦りむけた傷を癒やしてくれるようだ。大関とりに向けて、寝覚めの場所となるように願っている。