連載・特集

2021.11.22 みすず野

 愛刀〈和泉守兼定〉が京の街を震え上がらせる。初代や3代ではない。大業物の2代〈ノサダ〉。銘の定の字をうかんむりに之としたため、そう呼ばれる。映画館を出るときの気分はすっかり鬼の副長、土方歳三だった◆司馬遼太郎の『燃えよ剣』は昭和37(1962)年、週刊誌に連載された。いらい新選組ファンを生み続ける。司馬作品の『関ケ原』も撮った原田眞人監督がメガホンを取り、主演は岡田准一さん。歳三の想い人に柴咲コウさん。3年前のNHK大河で西郷隆盛を演じた鈴木亮平さんの近藤勇も良かった◆池田屋の戦闘シーンがすごい。昔の日本家屋だから天井が低く、刀を派手に振り回せない。実際の現場もこんな感じではなかったかと思わせるほど迫力があった。歳三が写真に納まる場面にジ~ン。銀幕がにじむ。ちなみに徳川慶喜はその後、明治の世を生きて大正2(1913)年のきょう11月22日に亡くなっている◆映画館でも検温や消毒が行われていた。松本の街なかに十数枚スクリーンが散らばっていたのは、さほど昔ではない。多くの市民の脳裏に青春の思い出が刻まれていよう。やっぱり映画っていいな。