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松本城にとどろく武者砲術 2年ぶりの演武、1100人魅了

ごう音とともに火縄銃から空砲を撃ち放つ松本城鉄砲隊(二の丸御殿跡)

 松本市の松本城公園で17日、第32回国宝松本城「古式砲術演武」が開かれた。毎年春・秋恒例の催しだが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年は中止となり、2年4期ぶりの開催となった。地元の松本城鉄砲隊(西堀恒司隊長)による大小さまざまな火縄銃がごう音を響かせ、大勢の市民や観光客を楽しませた。

 今回は文化財保護の観点から、従来の本丸庭園から初めて二の丸御殿跡に会場を移した。午前10時と正午の2回、砲術演武を披露した。
 日中は冷たい北風が吹きすさび、気温も13度前後と肌寒い一日となったが、用意した150席は満席となり、立ち見の観光客も含めると計約1100人が演武を楽しんだ。
 武者姿の隊員15人は、片手で扱える短筒から、銃身の長い狭間筒、抱え撃ち用の大筒まで多彩な火縄銃を構え、次々と撃ち放った。空気を震わす大音量と白煙に訪れた人たちは歓声を上げていた。
 家族5人で訪れた群馬県桐生市の小学校4年生・工藤彩花さん(10)は、初めての鉄砲演武に「すごく大きな音でびっくり。面白かった」と喜んでいた。
 「第64回お城まつり」の一環で、11月11日にかけてさまざまな行事が行われる。