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大桑村殿出身 古瀬伝蔵に光 農文協設立や「家の光」創刊 顕彰活動の実行委設立 企画展や冊子制作

古瀬の著書や資料を読み解きながら記念事業の準備を進める古畑会長

 大桑村殿出身で、大正から昭和にかけて農村部の生活向上や農業従事者の問題解決に尽力した古瀬伝蔵(1887~1959)の事跡をまとめる実行委員会が設立された。10~11月に古瀬を紹介する企画展や講演会などの記念事業を村歴史民俗資料館で開き、資料や記録を元に人柄や歩みをまとめた小冊子を年度内に制作する。

 古瀬について20年ほど前から調べてきた古畑昌夫会長(82)をはじめ、郷土史家や村内外で暮らす古瀬の遺族ら14人でつくる。没後半世紀余りとなり、村内でも知る人が少なくなった古瀬の業績を後世に伝えようと考えている。
 農家の次男に生まれた古瀬は、県内の農学校などで教べんを執る中で米騒動や小作争議など農村を取り巻く問題から農政への関心を高め、上京して新聞記者となった。農村を地盤とする議員や官僚の人脈を広げ、当時の農村が抱えた問題への言論活動を展開した。
 雑誌『家の光』や、創刊に携わった『農政研究』(現在の『現代農業』)の編集者を務めながら農業問題への提言を続けた。現在の農山漁村文化協会(農文協)を創立した。
 古畑会長は、古瀬が生きた時代を「都市部と農村部に生活の格差が生まれた」と捉え、現代に通じる問題が見えるとする。古瀬が指摘した農家女性の過酷な労働の実態はジェンダー平等の問題に、人手不足による農村の危機は少子高齢化の問題に重なるという見方だ。「農村復興に携わった古瀬の足跡を振り返ることは、これからの農村の在り方を考えることにつながる。農家の生活向上を訴え続けた男の姿を知ってほしい」と願っている。
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 企画展は20~24日で、パネル展示や遺族が寄せた古瀬直筆のはがきなどの資料を展示する。講演会は23日に東京外国語大学の野本京子名誉教授を、11月23日に楠本雅弘農文協会長を講師に招く。定員50人で事前予約制。県の元気づくり支援金を活用して行う。問い合わせは村歴史民俗資料館(電話0264・55・3550)へ。