政治・経済

北安曇郡南部の移住定住に差異

 北安曇郡南部の池田町と松川村は、平成29(2017)年度からそれぞれ移住定住の補助制度を導入し、令和2年度までに池田町に75世帯、松川村に39世帯が転入した。池田町は県外からの移住が3割に上る一方、松川村は近隣市町村からが9割を占め、違いが顕著になっている。

 池田町は住宅新築に最大120万円、中古住宅購入に最大70万円の補助を行っていた。しかし本年度は財政問題から、議会の修正により新築10万円、中古購入5万円に引き下げられている。
 令和2年度までに補助金を活用した移住者は75世帯194人。うち県内からは52世帯147人で、安曇野市(15世帯43人)、松本市(12世帯39人)、大町市(10世帯31人)、北安曇郡白馬村(8世帯15人)が多い。一方で、愛知県や東京都、神奈川県など県外からの移住も23世帯47人と多いのが特徴だ。
 同期間に空き家バンク物件への補助を活用した移住も25世帯49人あり、13世帯が県外・国外からだった。
 松川村は移住者の場合、新築最大100万円、中古購入最大50万円を補助している。令和2年度までの利用者は39世帯121人で、大町市15世帯、松本市8世帯、安曇野市7世帯、池田町4世帯など中信地区からの転入が9割を占める。県外は2世帯のみだ。
 松川村は申請者の年齢を子育て世代の45歳以下に限定しており、県外や県内他地区からの移住はハードルが高い。池田町は年齢制限がなく、60歳以上の移住者も15%余りいる。
 4月1日現在の両町村の人口は、池田町が9623人、松川村が9670人で、補助制度を始めた当初より池田町が4・7%減、松川村が2・4%減となり、総数で逆転した。
 松川村の平林明人村長は「国勢調査の年に人口が1人増えれば、地方交付税が18万5000円増える。それに住民税、固定資産税、家庭の消費効果を合わせればじきに元が取れる」と話す。「周辺自治体とパイの奪い合いをしても仕方ないが、他を気にしている余裕はない」と正直だ。
 池田町は県外者が景観にほれ込んで移住するケースが多く、補助金は関係ないという見方もある。ただ、補助金は転出を引き留める意味合いも強い。人口減少に歯止めが掛からない中で、難しい対応を迫られている。