政治・経済

おんたけ2240スキー場 新指定管理者に王滝のシシ

 王滝村が所有するスキー場「おんたけ2240」の指定管理者が、今季から王滝村のシシ(岩堀翔太社長)に代わる。従来の指定管理者で、太陽光発電事業やゴルフ場運営などを手掛ける企業・アンカー(東京都港区)は指定から外れた。30日に閉会した村議会9月定例会で村が関連議案を提出し、原案通り可決された。新たな指定管理期間は10月1日から5年間で、今季は遅くとも12月末のオープンを目指す。

 村はアンカーと、平成30(2018)年9月から10年間を指定管理期間とする基本協定を結んでいた。当初の3季は村が年間5000万円の指定管理料を支払った。
 しかし、昨季終了後、議員全員で構成するスキー場特別委員会で「地域経済の活性化と地域雇用の確保のために指定管理料が使われていない」という指摘が相次いだ。これを受けて村は、指定管理料の村内還元を条件に加えて指定をいったん白紙に戻し、9月17日から10日間、あらためて指定管理者を公募した。
 応募したのはシシだけで、村指定管理者選定委員会が選考した。選定委員長を務める瀬戸普村長は「険しい道のりだが、なんとか木曽全体や王滝のスキー場が生き残れるようにしてほしい」と願った。
 シシは村内でカレー店「ララカレー・オンタケ店」を営むなど村の発展に携わってきた。岩堀社長が手掛ける別会社・ネイションは木曽福島スキー場(木曽町新開)を令和元(2019)年から運営している。地元密着型のスキー場運営で培ったノウハウを生かす。
 村と相談しながら名称変更も前向きに検討している。地域雇用の創出と共に体制を一新させ、木曽地域のスキー場との連携強化を図る考えだ。岩堀社長は「村の基幹産業であり歴史や文化を背負ったスキー場を発展させることで村の発展につなげたい」と語った。