連載・特集

2021.10.21みすず野

 プロ野球のペナントレースは最終盤。セ・パ両リーグとも昨年最下位のヤクルト、オリックスが優勝争いを展開、最後まで目が離せない◆個人賞争いも面白い。特に新人王は松本第一高│中大出の牧秀悟選手(DeNA)がタイトル争いを演じる。打率3割1厘、本塁打22本、打点67(19日現在)は堂々たる成績だ。開幕戦を3番一塁手でデビューすると安打を重ね、8月に新人では史上初のサイクル安打を記録した。10月から4番に座る。どっしりとした構えから左右に長打を打ち分ける姿には貫禄すら感じる◆中野市出身。実力を早くから見いだした同校前監督の櫻井正孝さんは、1年春から3番一塁手で使う。「物おじしない。明るい」牧少年は一塁からマウンドの先輩に自ら声をかけた。「牧の部屋は殺風景だった」というが、悪い意味ではない。「野球以外余計なことは考えない」という証しだった。将来を考えた櫻井さんは牧選手に二塁、遊撃、外野も経験させた。中大でも1年春からレギュラー。東都リーグの首位打者を獲得、全日本の4番も張った◆今季は残り4試合。「最後まで牧らしく。それでいい」。櫻井さんの願いだ。