連載・特集

2021.10.19 みすず野

 昨夜は十三夜だった。ご覧になっただろうか。旧暦9月13日の名月をいう。前月の十五夜に対して「後の月」とも。秋の月見の楽しみを1回限りとしないで、月の微妙な欠け加減も味わいとした昔の人の心が思われる◆ネットで知った豆知識だが、十五夜と十三夜のどちらかしか見ないことを「片月見」と忌み、両方だと縁起がいいと喜んだ。伊勢神宮や善光寺に「片参り」があり、現代も百名山踏破やゲームの攻略を目指す人がいるから、コンプリートにこだわる心理は昔も今も変わらないらしい◆総選挙がきょう公示される。未来の国民が重税に苦しみ「俺たちが生まれる前の感染症のまん延で、お金を使い過ぎたせいだ」と不平を言わないか。選挙とはいえ耳に優しい公約ばかりでなく、財源や将来の財政もしっかり議論しないと片月見や片参りにならないか。新聞各紙で識者の指摘を読むと、そんな心配が頭をよぎる◆昔の人のいわゆる「きれいな月」を仰ぐチャンスが年内もう1回あるそうだ。月見の行事ではないが、複数のサイトが「十日夜」を挙げていた。旧暦10月10日だから今年は11月14日。十日夜については稿を改めよう。