連載・特集

2021.10.18 みすず野

 「ロープウエーを夜に動かし、星を見てもらう」―。副知事だった太田寛さんは6年前、木曽の町村と県が意見を交わす会議でこう述べている。通り一遍のあいさつなら記事に盛り込まない。突飛な提案が記者の手を動かしたのだろう◆他に木曽での語録を拾ってみる。岐阜県内のリニア中央新幹線の駅名に『木曽』を入れるとか、テレビドラマの舞台となる働き掛けや、木曽でしか食べられない料理などプレミアム感の仕掛けとか...。いずれも「隠れた資源や可能性をもっと生かすべきだ」との文脈で語られた◆今回の選挙戦で太田さんは「文化・芸術中核都市」づくりを掲げた。お願いがある。市長就任後にコロナ対策が落ち着いたら(何度も行かれていると思うが)ぜひ碌山美術館へ足を運び、日本近代彫刻の始まりをあらためて肌で感じていただきたい。もちろん美術館に限らないけれど、漆芸や山岳絵画、絵本原画...安曇野の宝を守ってきた館がいま苦境にあえいでいる◆ふるさとでアイデアマンの面目躍如となるか。"突飛な"施策がどう展開されるか。安曇野市は、長年培われた芸術の土壌という一点で他の街に絶対負けない。