連載・特集

2021.10.16みすず野

 県民性などという言葉でひとくくりにして、県外者からあれこれ言われるのは愉快ではない。本県は海がないから魚にからんだあれやこれやがある。アジは金気を嫌う。それが包丁を使うタタキをなぜうまいと思うのか▼「長野か山梨で育って、塩鮭しか食ったことのない新聞記者あたりが」「鮮度の悪いアジをタタキでごまかされた。そりゃ美味いと思いこむだろう。アジの味を知らないのだから」(高橋治『つれ釣れなるままに』)。それが全国に蔓延したのだと▼著者は別の著書では「山国出身の新聞記者」が「目黒の秋刀魚同様鰺はたたきに限るといい出した」「これは小生作の小噺だが」(『青魚下魚安魚讃歌』)とまとめている。「長野か山梨で育った新聞記者」だが、そんなものかとにやり▼民間の調査会社が行った都道府県の魅力度ランキングの今年の結果に、下位の県の「検証」「法的措置検討」などの対応が伝えられている。不愉快なのは理解できるが真っ向から反論するのは野暮だろう。20位、30位では話題にもならない。ここは逆手にとり県を宣伝すればいい。この対応がその戦略だというのなら座布団1枚だ。