連載・特集

2021.10.11みすず野

 日本山岳会初代会長の小島烏水は明治39(1906)年、北アルプスに登ろうと明科で汽車を降りた。犀川を挟んで当時は松本も含まれた東筑摩郡と、南北安曇郡の人口密度や米の収量などを比べ、東は〈小説の舞台〉で西は〈神話の領分〉とつづっている◆安曇野市はそれから1世紀後の平成17(2005)年10月に産声を上げた。〝16歳〟になったばかりだ。合併前の5町村ごとに先人から受け継ぎ育んできた歴史や文化があり、新旧の潮流が混ざり合って新しい安曇野を創る◆初代市長の平林伊三郎さんが「五つの流れを一つの大河に」と掲げ、2代目の宮澤宗弘さんはその上に礎を築いた。各地域の施設を全て存続させることは財政上できない。市民の声を調整しながら、統廃合への道筋を付けたのも宮澤市政の功績の一つだろう◆3人目となるかじ取り役と、針路のチェック役を決める選挙がはや中盤へ。今回選ばれる市長と市会議員は〝青春期〟のまちづくりを担い、〝二十歳〟を迎える年に任期満了となる。安曇野の未来を大いに描いてもらいたい。そして若い有権者も〝同世代〟の市を育むため、投票所へ足を運んでほしい。