教育・子育て

クラスに通えない中学生 ICT活用で中間教室から授業に参加

 さまざまな事情でクラスに通えない生徒をICT(情報通信技術)で教室とつなぎ、授業への参加や評価につなげる試みが松本市内の中学校で始まっている。開成中学校は本年度、校内中間教室で学ぶ生徒がオンラインで別室の授業に参加できる仕組みを整えた。学習環境の選択肢を増やすことで子供たちの可能性を将来につなげたい―。市教育委員会は取り組みの広がりを期待している。

 開成中でオンライン授業を受けるのは中間教室に通う3年生の女子生徒ら。大人数が苦手で在籍する教室に行くのはハードルが高い。一方高校受験を希望し、授業やテストに意欲もある。そこで今夏からオンラインの授業を導入した。
 授業をしている教室の黒板前にノート型パソコンを置き、中間教室に置いた別のノート型パソコンに配信する仕組み。板書の中身から教諭の声色まで、授業の中身や様子がつぶさに伝わり、中間教室を担当する自立支援教員・兼山裕美さんは「この方法だと緊張せず不安を抱えず授業に集中できるようだ」と生徒の様子を話した。
 市教委は昨年末、不登校の児童生徒らがICTを活用して学校の授業や活動に関わった場合、出席や評価につなげるガイドラインを定めた。規定に基づき出席を認めるケースは昨年度数校だったが本年度はさらに増え、新型コロナウイルス禍で通学できない子供にも適用が始まっている。
 開成中は一歩踏み込み、オンライン授業への参加を学習評価につなげる考え。場所は違っても同じ土俵で学ぶことで、進路の可能性が広がるためだ。
 全ての小中学生に1人1台端末を配備するギガスクール構想で、物理的条件は整いつつある。市教委は「多様な教育機会の確保」のさらなる普及を期待している。